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▲ヒブワクチンが入荷し難くなりました▲ 詳しくはこちらへ |
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▲ヒブ(Hib)とは?▲ |
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ヘモフィルス属インフルエンザb型菌のことを略してヒブ(Hib)と呼びます。
ヒブは、子どもさんの鼻やのどにいることがありますが、そのままでは病気になりません。ヒブが血液や肺の中に侵入すると、髄膜炎や敗血症・急性喉頭蓋炎などの深刻な病気をひき起こします。年齢とともにヒブに対する免疫がつくようになり、通常5歳以上の幼児はヒブによる病気にはかかりません。
ヒブワクチンの使用が認められていなかった日本では、年間600人ものこどもさんがヒブによる髄膜炎にかかっていたと推定されています。その約半数は生後6ヶ月から1歳までのお子さんで、かかると5%のお子さんが亡くなり、20%前後のお子さんに後遺症が残ります。
諸外国では、10年以上も前からヒブに対するワクチンを定期接種として接種し、ヒブによる深刻な病気は100分の1程度に激減しました。WHO(世界保健機関)でも乳児への定期接種を推奨する声明を出しています。
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どうしてインフルエンザという名前がついているの?
この菌が発見されたときには、冬にはやるインフルエンザの原因と誤って考えられたのでインフルエンザ菌という名前がついてしまいました。後になってインフルエンザの原因はこの菌ではなくウイルスだということがわかりましたが、現在まで名称は訂正にならず、ややこしさの原因になっています。ちなみに、ウイルスのインフルエンザのB型は、"B"と大文字で記載しますが、インフルエンザ菌のb型は "b"と小文字で記載します。したがってヒブも"HIB"ではなく、"Hib"と書きます。ただし、予防注射の商品名は"ActHIB"です。
ヒブワクチンの別称は?
インフルエンザ菌b型ワクチンとかインフルエンザb型菌ワクチンとも呼ばれます。ある新聞報道でヒブワクチンのことを "髄膜炎ワクチン"と記載してあるのを見ましたが、髄膜炎菌という菌が別にあり諸外国には
"髄膜炎菌ワクチン"というワクチンもありますので、"髄膜炎ワクチン"という名称はまぎらわしいので使用しない方がよいと思います。
インフルエンザ菌にもいろいろな種類があります
インフルエンザ菌には、カプセルがあるものとないものがあります。そのうちカプセルがある菌はa型からf型までの6種類に分類されます。重症感染症をおこすものはほとんどがカプセルのあるb型菌です。インフルエンザ菌は中耳炎を起こすことも多いのですが、中耳炎を起こすのはほとんどがカプセルのないインフルエンザ菌です。 |
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▲ヒブ(Hib)ワクチンを受けるべき人は?▲ |
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日本でも、やっとヒブワクチン(商品名:アクトヒブ)が、接種ができるようになりました。
ヒブワクチンを受けるべき子どもは?
ヒブワクチンは、生後2ヶ月もしくは3ヶ月以上 5歳以下の乳幼児全員に できるだけ早くに受けていただきたいです。
3種混合と同じ日に計4回接種をおすすめします。なるべく生後6ヶ月までに3回の接種を終わらせましょう。そのためには、生後3ヶ月になったらすぐにヒブと3種混合の同時接種1回目、4週間後にヒブと3種混合同時接種2回目、1週間後にBCG接種、4週間後にヒブと3混の同時接種3回目、1年後にヒブと3種混合同時接種追加がお勧めです。[アメリカでは、追加接種は生後12〜15ヶ月の時です。]
ただし、現在ヒブワクチンは申込をいただいてから接種までかなり月日がかかりますので、ヒブにあわせて3混を遅らせようといわずに、接種できるものからお受けください。
生後7ヶ月〜1歳未満でヒブワクチン未接種の児は、初回接種としては2ヶ月間隔で2回、2回目の1年後に追加接種を1回受けます。[アメリカでは、追加接種は生後12〜15ヶ月の時(ただし初回2回目から2ヶ月以上あけて)です。]
1歳以上5歳未満でヒブワクチン未接種の児は、1回の接種が必要です(初回接種は不要)。
[アメリカでは、1歳〜1歳3ヶ月未満で未接種の児は、初回接種として1回、2ヶ月あけて追加接種1回の計2回接種です。]
5歳以上の子どもや大人には、ヒブワクチンは不要です。[アメリカでは、脾臓のない人、免疫不全状態の人、鎌状赤血球症の人は5歳以上であっても、1回の接種をお勧めしています。]
[ ]のなかはアメリカでの接種方法です。院長はアメリカでの接種方法の方が理にかなっていると感じております。
料金は?
無料接種ではありません(無料化に向けた検討委員会は作られているとのことです)。新聞報道などでは「4回で3万円程度」、最近のNHKでは1回7000円と報道されました。初診料と薬品代、手技料をあわせると、8500円程度になります。当院では、BSEの話(「接種に際して知っておいていただきたいこと」参照、)を理解していただいた方のみ申込できるようにすることで、接種料金を低く抑えました。料金は院内に掲示してある料金表をご覧ください(ホームページには掲載しておりません)。
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▲ヒブ(Hib)ワクチンの接種計画は?▲ |
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ヒブ(Hib)ワクチンがやっと発売になりました。では、実際にはどのように接種すればよいのでしょう?
ヒブワクチンの接種回数は、3種混合と同じ4回です。3種混合と同じ日に接種(同時接種:右腕と左腕に1本ずつ接種します)がお勧めです。
当院では従来、BCG接種後4週間たってから3種混合を接種することが多かったのですが、ヒブ(Hib)ワクチンは生後6ヶ月になるまでに終わらせたい、とくに最初の2回をなるべく早期に接種したい、最近は百日咳が増加しているので三種混合も2回目までをなるべく早期に接種したい、BCGは生後6ヶ月になるまでに終わらせないと有料となってしまうことから、乳児期のお勧め接種を下記のように考えます。
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生後3ヶ月になったらすぐに |
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3種混合とヒブワクチン同時(1回目) |
その4週間後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(2回目) |
その1週間後に |
→ |
BCG |
その4週間後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(3回目) |
その1年後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(4回目) |
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もしくは、
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生後3ヶ月になったらすぐに |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(1回目) |
その1週間後に |
→ |
BCG |
その4週間後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(2回目) |
その4週間後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(3回目) |
その1年後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(4回目) |
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とするのがよいでしょう。
では、ポリオのシーズンはどうすればよいでしょうか?
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生後3ヶ月になったらすぐに |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(1回目) |
その4週間後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(2回目) |
その1週間後に |
→ |
BCG |
その4週間後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(3回目) |
その1週間後に |
→ |
ポリオ |
3混ヒブ3回目の1年後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(4回目) |
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あるいは
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生後3ヶ月になったらすぐに |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(1回目) |
その1週間後に |
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BCG |
その4週間後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(2回目) |
その1週間後に |
→ |
ポリオ |
その4週間後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(3回目) |
その1年後に |
→ |
3種混合とヒブワクチン同時(4回目) |
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が、おすすめです。1番最初にポリオを受けたり、「1回目の3種混合とヒブワクチン同時接種」の1週間後にポリオを受けたりしないようにしましょう。ヒブワクチンやBCGが生後6ヶ月以内に終了しなくなってしまいます。
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▲受けるべきではない人は?▲ |
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*前回のヒブワクチン接種で生死にかかわる程のアレルギー反応があった人は、ヒブワクチンを受けるべきではありません。
(ヒブワクチンには鶏卵成分は含まれていませんので、鶏卵アレルギーの人も安心して接種できます。またチメロサールも含ませていません)
*生後6週以下の子どもは、ヒブワクチンを受けるべきではありません。
*体調が中度あるいは重度に悪い人は、接種を延期しましょう。軽症の人は接種医にご相談ください。
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▲ヒブワクチンの副作用は?▲ |
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日本で今回使用が認められたヒブワクチンは、フランスのサノフィ・パスツール社の「アクトヒブ」で、アメリカを含む世界各国で使用されています。
他の薬物と同じようにワクチン接種にはアレルギー反応などを引き起こす可能性はありますが、深刻な副作用は非常に少ないとされています。
軽度の副作用
接種部位が、赤くなったり、熱をもったりあるいは腫れることがあります(4人に1人以下)。また38.3℃以上の発熱がみられることがあります(20人に1人以下)。
これらの副作用は、接種後24時間以内に発生し、通常そのままで2〜3日後には改善します。[上記の頻度はアメリカのものです。いずれ、日本での頻度が発表になると思います]
中度あるいは重の副作用
接種後2〜3時間以内の息切れ、かれ声やゼイゼイと息をする、じんま疹、蒼白になる、虚弱感、鼓動の高まりやめまいなどは、重度の副作用の可能性があります。 接種医に連絡をするか、大至急医療機関へ連れて行くようにしてください。症状と起こった日時、接種を受けた日時を医師に伝えてください。
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▲接種に際して知っておいていただきたいこと▲ |
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日本は、BSE(牛海綿状脳症)発生国原産のウシに由来する成分を医薬品の原料として使用しないことと決めていますが、このワクチンは現時点ではその取り決めに反した原料を使用しています。
しかし、欧州薬局法委員会からは医薬品製造に適している原料であることの証明書が発行されているそうで、本ワクチンによってTSE(伝達性海綿状脳症)が伝播する可能性は極めて低いと考えられています。ヒブワクチン接種によってTSEが伝播する理論上の危険性と、接種により得られる利点をご理解の上で接種していただきますようお願いいたします。
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▲ヒブワクチンが入荷し難くなりました▲ |
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2008年12月と2009年1月は希望した本数全部が当院へ納品されましたが、全国的にヒブワクチンの申込が急増したため、2月の当院への納入本数は皆様からお申し込みいただいた本数の4分の1以下の15例分でした。
この15例というのは一律に決めたそうで、予防接種に積極的な医療機関もそうでないところも同じ数というのは解せません。
また、2009年2月21日に会社側から次のような連絡がありました。「製品の供給量が安定するまでの間、毎月の納品数を診療所では3例分、病院では10例分を目処にさせていただきたい」とのことです。
当院は診療所ですが、予防接種を積極的におこなっており、ヒブワクチンにせよ、インフルエンザワクチンにせよ、当院より接種数の多い病院はあまりないのではないかと思います。どうして病院が10例で診療所が3例なのか? これも解せません。
毎月3例分しか納品されないのであれば、当院へすでに申し込みされている方でも2年以上待たなければいけないことになります。5歳以上になったら自然に免疫が付くため、”より年齢の小さな赤ちゃんほど接種していただきたい予防注射”という点から考えると申し込んでから2年も経ってやっと接種できるというのは、ナンセンスです。(2009年02月22日)
実際には申請のあった日本全国の診療所と病院にまず3例分と10例分を配布するそうです。同様の配布方法を在庫がなくなるまで繰り返すそうです。したがって、申請数の少ない医療機関(2月は、診療所で15例未満、病院で50例未満)のところは申請した数すべてを受け取ることができ、申請数の多い医療機関はどんなに多い医療機関でも一定数(2月は診療所で15例、病院では50例)しか受け取ることができないそうです。 患者さんの立場からすると、予防接種を積極的におこなっている医療機関(当院はこちらに入ると思います)に申し込むより、予防接種をあまりおこなっていない医療機関に申し込む方が早期に接種できるようです(2009.03.02補筆)。
そもそも、他の国ではほぼ全例に接種している予防接種を10年以上も遅れて任意接種の形で認可されたことが問題なのかもしれません。(2009年02月22日)
当院でも、ヒブワクチンの申込を休止させていただき、よりよい接種方法を考える時間をいただきたいと思います。
皆様には、大変なご迷惑をおかけしますが、事情を察していただきお待ちいただきますようお願いいたします。 (2009年02月22日)
2005〜2006年の全国96病院におけるヒブ髄膜炎は、0歳児が67人、1歳児:43人、2歳児:12人、3歳児:7人、4歳児:7人、5歳児以上は0人でした(砂川慶介,他:本邦における小児化膿性髄膜炎の動向2005―2006.感染症誌,
82: 187〜197, 2008)(グラフから読み取った人数ですので多少のずれはあるかもしれません)。(2009年02月27日)
上記の統計より、当院に納品されたヒブワクチンは、たとえば18本のワクチンが入荷した場合、生後7ヶ月未満児に3人、7ヶ月から1歳未満児に2人、1歳児に3人、2〜4歳児に2人に振り分けることにいたしました。。つまり、0歳児はあとから申し込んでも先に接種できる場合があります。このような規則をつくり、3月2日午後8時より申込みを再開いたします。事情を察していただきますようお願いいたします。 (2009年02月27日)
当院にとってうれしい情報が入ってきました。3月25日配布のワクチンは、まず診療所に3例分病院に10例分配布し、残りを申込順に配布するという情報です。そうなれば、画一的な本数ではなく予約数に応じた本数が医療機関に配布され、当院にとっては大歓迎です。もしこの話が事実ですと、あまりお待ちいただかずに接種できるかもしれません。しかし、この情報は小児科医のメーリングリスト内での話で、製薬会社からきちっとアナウンスされた情報ではありません。(2009年3月14日)
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